なぜ一本線上を歩くと体に良いのか

こんにちは、歩き方コンサルタントの篠田洋江です。

「一本線上を歩くのがいい」と聞いたことはありませんか。

実際、私も床にテープを貼り、その線の上にかかとをのせて歩いて頂く一本線上を歩くご指導をしています。ではなぜ「一本線上を歩く」のでしょうか。その方がキレイだから?いえいえ実は健康的な面からも一本線上を歩くということは、とても効果的なんです。

本日はこの一本線上を歩く理由についてお話しをしていきます。

この内容は音声ブログvoicy、または下記の音声からお聞き頂けます。

【2つの理由】

そもそも一本線上を歩くについて、ここでは「両かかとが一本の線の上をふむ」と思っておいてください。その前提でお話しすると一本線上を歩くには以下の2つの理由があります。

  • 足の筋力、体力を養う
  • 運動刺激を与える

この2つについてもう少し詳しく紐解いていきましょう。


足の筋力、体力を養う

脚と脚の間を少し開いて歩く「二直線上」歩きの方が、バランスが取れて安定していいのでは?と思う人もいるかもしれません。確かに、特に歳を重ねてくるとその方が歩きやすいのは確かです。これは歳を重ねるにつれ、内転筋といわれる太ももの内側の筋肉が弱ることで、脚を引き寄せられなくなってくるという理由もあれば、体をまっすぐにしておく筋肉が衰え上半身をまっすぐにすることができず、結果、体の安定をとるために足を開くということもあります。

しかし、あえて一本線上を歩くようにすることで

  • 脚を引き寄せる力をつける:内転筋の強化
  • バランスを取りながら歩く力をつける:バランス能力
  • 上半身をまっすぐにして歩く力をつける:体幹の強化
  • 上記のように筋肉を使い歩く力をつける:歩きの総合力

が身につきます。また二直線上で歩くと体が左右に揺れてあるくため無駄な筋肉を使いやすく疲れやすいということも。一本線上を歩くことで疲れにくく筋力も体力も鍛えられるというわけです。


運動刺激を与える

例えば、右腕を前に出すと左足が前にでます。つまり上半身と下半身は反対の動きをしており、これによってひねり運動がうまれているわけです。このひねり運動こそ人間の「歩く」という動きの醍醐味。四つ足の動物との歩きとは全く違うところです。一歩一歩歩みを進める度にお腹にひねり刺激が加わるということが人間としての体の動きの特徴といえるのです。

体の中心でひねり運動がおこるにもかかわらず、体を安定して動かしていく。しかも2本脚というバランスの悪い状態で行うことで、 脚力はもちろん全身が作用しあって全身の筋肉が養われたりします。

このひねり運動は

  • 便秘の解消など内臓への刺激
  • 体幹の強化
  • 関節の柔軟性

などとにかく人間に必要な運動刺激をたくさん与えてくれるんですね。最もシンプルかつ優しい運動刺激が歩くということだと言って間違いありません。

【足裏の使い方にも影響】

一本線上を歩くことで足の使い方、足裏の使い方も変わってきます。特に足裏にフォーカスしていえば、

  • 親指の下:母指球
  • 小指の下:小指球
  • かかと

の3点による「足裏の三角形」で大地をしっかりつかんで歩くことが、良い歩きの基本になります。この 「足裏の三角形」 を使い、一本線上を歩くと足裏の筋肉も鍛えられ、まさに体の土台からバランスや筋肉、体を鍛えることができますから、ぜひ毎日の歩きに取り入れて頂きたいですね。

また以上のような一本線上や足裏を使った歩きは、家の中で練習してから外で行うとより安心です。

  • マスキングテープを床に線をひく
  • かかと同士をピタッとつけて線の上にかかとを置く(つま先はげんこつ幅ひとつ分空いていてもOK)
  • 足裏の三角形が床に着地していることを確認する
  • 一歩足を出しかかとは線の上に置き、体を前に押し出す。
  • 前の足の、足裏の三角形がすべて着地していることを確認する

まさにウォーキングスクールで行う歩きの練習です。特に中年以降の方で一本線上を外で歩こうとすると転びそうで怖い!という方はまずおうちでお試しを。

【最後に】

歩くという当たり前のことや、一本線上を歩くのが良いという当たり前のように言われていることを改めて見つめ直すことで、歩きの意識も変わり体の使い方も変わります。

「なぜ」そうするのか。それをすることで「どんないいことがあるのか」を知っているのと、継続や習慣化につながり良い影響を与えます。根拠を知っていた方が継続につながります

毎日コツコツ習慣化、継続することで、きっと体にも心にもよりよい変化が起こりますよ!

またご自分にあった歩き方や今の癖を知りたいと思ったら、歩き方診断やレッスンのサイトものぞいてみてくださいね。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。それでは本日も健やかな一日をお過ごしください。



関連記事一覧

最近の投稿

月別アーカイブ

PAGE TOP