歩きスマホが体や心に与える影響は?

こんにちは、歩き方コンサルタントの篠田洋江です。オンラインウォーキングスクールを運営しています。

電車のホームなどで歩きスマホをしている人、良く見かけますよね。いけないと思いながらもついついしてしまうということもあるのではないでしょうか。

歩きスマホの危険性は近年よく言われることですが、今回は体や心の観点から歩きスマホが与える影響を考えていきます。

【歩きスマホに関する事故や危険性】

はじめに歩きスマホに関する事故については、東京消防庁のこちらのサイトが分かりやすいので興味のある方はご覧ください。

こちらのレポートによると、「ぶつかる・ころぶ・おちる」がほとんどを占め道路・交通施設で起こっていることが多いようです。

【体への影響】

「ぶつかる・ころぶ・おちる」以外への歩きスマホの影響を体の面からひも解いていきましょう。

  • 肩こりや首こり、腰痛や背中の痛みを引き起こす
  • 猫背が加速する
  • 片頭痛や耳鳴り、疲れ目や手のしびれを引き起こしやすい
  • 関節への負担を引き起こす
  • 足の老化を助長する

直接的・間接的なものも含めると以上のようなことがあります。

■なぜこのような影響があるのか

スマホを見ようとうするとどうしても視線がさがり頭もさがります。頭の重さは体重の約10%になり、体重50キロであれば5キロとなるため、例えるならボーリングのボール1個分程度の重さがあるわけです。

このボーリング1個分ほどの頭をさげた際、重い頭の重さを支えているのは首の後ろから肩甲骨周りにかけての僧帽筋を始めとした筋肉です。これらの筋肉が後ろからつかむようにして頭を支えています。

これはいうなれば、ボーリングのボールを後ろからつかむようにして持っているのと同じで、この状態でいつづけるればあまりの重さに腕がつらくなるのは想像がつくでしょう。しかもその状態で歩けば体もボールもバウンドすることになり余計に負荷がかかります。軸である体からボールが離れていればいるだけバウンドするリズムも違うため、ボールを持ち続けるのはとても大変です。

歩きスマホでは、まさにこのような状況が起きているということで、ボーリングのボールほどの重さのある頭を支える首から肩の筋肉には想像以上の負荷がかかりつづけ、結果、筋肉が硬くなり「こり」につながるというわけです。まして腕も前にでているために腕の重さも追加され、頭+腕の重さの負荷が体にはかかっていることになりますね。

また、首部分の背骨も湾曲した状態ですから、背骨の中を通る神経や血管・血流も影響がでないわけがありません。このような神経や血流の影響が片頭痛や耳鳴りなどにつながり、「なんだか調子が悪いな」「いつもなんとなく不調」ということにつながるともいえます。

■歩きへの影響

頭や腕が前に出ることで姿勢全体が変わります。よくあるのは、頭が前に出る分背中が後ろに大きく丸くなりお腹が前にてヒザが曲がるというものです。この状態で歩くと、まず足の筋肉をしっかり使いきって歩くことができません。歩幅も狭くなりペタペタ歩きになります。

つま先があがらないので、何もないところでつまづきやすくなったり転びやすくなることも。

この歩き方を続けていると、ますます足の筋肉をうまく使えないため、何十年もの時間をかけて気がついた時には足の変形や思わぬ痛みを引き起こしやすい足になっていきます。

今の歩きスマホは、「ぶつかる・ころぶ・おちる」 という今の危険だけではなく、将来的な体の危険にもつながるかもしれないということですね。

【心への影響】

ここで心への影響もみていきましょう。特に外を歩くということは五感を刺激することにつながります。ストレス過多な状態では五感が鈍くなり風や匂い、味や声などをキャッチしづらい状態になりがちです。このよう衰えた五感を磨いてくれるのが外にでて歩くことで、視線を上げて歩くことで目に入る形式や移り変わるさまは大きな刺激です。

屋外ではなくても道路や駅の構内でも、少し目線を変えれば見え方も見つかるものも変わります。そうやって脳に刺激が届くからこそ脳は活性化し機能しつづけるのではないでしょうか。

スマホという小さな画面の中に視線が固まれば、せっかくの視覚による五感を磨きの機会を活かすことができません。スマホは目を動かすのではなく、目線はそのままで画面が動くものですから、自分で見るものをキャッチしているわけでもありません

視線をあがることで多くの情報をキャッチし五感を刺激しささやかな変化や幸せを感じる心を養う。その機会が失われるというのが歩きスマホなのかもしれません

【まとめ】

マンガや小説、待っていた人からの着信やメールをとるためなどついついやってしまうということはあると思います。ただ毎日のささやかな習慣は体や心にもじわじわ効いてくるもの。ここにあげたような肩こりや腰痛、視野がせまくなっているなぁ(思考も、物理的な視界も)と思ったら、視線をあげたリアルの世界に楽しみと喜びを見いだして、しっかり前を向いて歩きたいですね!

そしてより健康的に歩くことで、体は軽やかになり五感が磨かれることで幸せを感じる心を養うことができます。歩くことの効果や健康的なウォーキングを学びたいと思ったらどうぞレッスンスケジュール指導者養成サイトものぞいてみてください。コラムや監修や取材などのご相談もお気軽にどうぞ。



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