こんなこと知ってどうなるの、がおもしろい~高円寺編8~(まち歩きコラム)

こんにちは、歩き方コンサルタントの篠田洋江です。

人生には無駄が必要だ、そこに余裕がありおもしろさがある。だからこそ私は歩く。高円寺南の境界線を。

■知ってどうなる境界線

ふだん生活していると町同士の境目など気にすることはないだろう。単身者や引越し者であればなおさらで、隣の町名がどうだなんて知る機会もないし知らないままでまた引越しということだってある。

そう、町の境目など知らなくても生きていけるのだ。だからこそ、身近な町の境界線を知ると発見がある。

例えば

・こんなに自分が住む町が大きかったのか

・なぜここが町同士の境界なのか

・同じ町のはずなのにまったく雰囲気が違う

なんていう風に。

ふだんなにげなく見ている町の風景に発見があるなんて、とても素敵じゃぁあ~りませんか。

知る楽しみにあふれた境界線。連載も8回目となる高円寺南の境界線を今回はたどっていこう。

■広い、高円寺南

高円寺南をGooglemapで見ると、分かりやすい台形でいい形をしている。道も分かりやすそうだし安定感もあるしなかなか魅力的だ。

今回はJR高円寺駅北口からスタート!駅舎や線路は高円寺南エリアに所属している模様、なるほど、すでに発見だ。

駅を前に右を向いて境界線の上を歩こうとしたものの・・境界線はJRの敷地内で立ち入り禁止エリアになっていることが判明。ずっこけ~。

そう、境界線だからといって必ずしも道になっていると限らず公道とも限らないのが、またおもしろいところ。

気を取り直してJR阿佐ヶ谷方面に歩く。ここも本来なら線路沿いが境界線だが道がないため高架下を歩く。高円寺の高架下はなかなかに魅力的でクリエイティブ、人間らしいというか独特の世界観がある。歩いていて楽しいのでおすすめ。

たまに地図と目の前のリアルな景色を頭の中でマッチングさせながら、境界線の角を見つけたら左に曲がる。

ここから青梅街道までの道のりは、ゆるやかな下り坂が続きながらもたまに軽快なアップダウンもあり波乗りしているような道。視線を左右に振ればそちらの道にも起伏があって、地形の魅力に惹きつけられる。

暑い中、もくもくと高円寺南の境界線をなぞりたいがために歩いているわけだが、はたから見ればただの散歩しているおばさんなわけで「くくくっ、私が今この高円寺南の輪郭をなぞっているとは誰も気がつかまい」という隠れた使命感をうちに秘め情熱的に歩んでいるこの時間がすごく楽しい。

まっすぐ歩きつづけると目の前に車通りの激しい通りが見えてきた。青梅街道だ。車道をはさんだ反対側は梅里という町で、こちらは東京メトロ丸の内線エリアだから街の雰囲気や文化がまた変わる。いずれご紹介したい。

さてここで左に曲がり青梅街道沿いを歩く。

駅前の商店街入り口。ここをまっすぐ行けばJR高円寺駅に戻れる。

台形の高円寺南の底辺にあたる青梅街道には個人の店もチェーン店も立ち並び、それなりににぎやかであるが、新高円寺駅や環七をすぎたあたりから町が変化し、中野っぽい匂いのするにぎやかさになってくる。

中野っぽい、とは何か?うまく表現しきれないが、ギラギラ感を感じるとでも言おうか。眠らない街・新宿の余韻が残っているのではないかと思う。

そんなかっこよさげなことを考えながら東高円寺駅も通過。まだまだ青梅街道をひたすら歩く。

さてそろそろ境界線の角に到着。これまでの道のりは杉並区内での町境だったが、同じ高円寺南と言っても今度は中野区との区境になる。「ここはおらが土地だ!」と境界線の争奪戦が繰り広げられた可能性だってあるし、昔の川(現在は暗渠)をそのまま境界線に・・というわけにはいかなかったわけがあるはずだ。

環七を超えたパチンコ屋さんのトラの像

つづきは次回。高円寺南の境界線混戦地帯!を歩いていく。

(続く)



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