姿勢は「崩さない」より「戻せる」こと

「姿勢が悪くならないように、気をつけています」

姿勢・歩き方の仕事をしていると、そんな話を聞くことがあります。

背中が丸くならないように。猫背にならないように。できるだけ、いい姿勢を保つように。

そうしないといけない!そんなちょっと気合と自分へのダメだしもちょっと含みながら、かもしれません。

確かに、姿勢を意識することは大切です。

でも私は、ずっと「崩さない」ことを目指さなくてもいいと思っています。

なぜなら人の身体は、そんなにずっと同じ姿勢ではいられないからです。

仕事に集中していたら、いつの間にか前のめりになっていたり、スマートフォンを見ていたら、頭が前に出ていたり、疲れてきたら、背中が丸くなったりするものです。

人は動く。

しかも身体の前でやるのだから、いつの間にか前のめりになったり頭が前に出るものです。

その前提で見た時に、

崩れたら、自分で戻せること。

それが大切だと私は思っています。

◆「いい姿勢」を固めなくていい

いい姿勢というと、

「背筋を伸ばす」

「胸を張る」

というイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、一日中その姿勢を保とうとしたら、なかなか大変です。

むしろ身体に力が入りすぎて、肩や腰が疲れてしまうこともあります。

繰り返しですが姿勢は、一度つくった形をずっとキープするものではありません。

座ったり、立ったり。

前を向いたり、下を向いたり。

歩いたり、立ち止まったり。

日常の中で身体は動き続けています。

だから私は、ひとつの「正しい姿勢」に身体を固定するより、

「あ、ちょっと前のめりになっていたな」

と気づいたら、また戻る。

そして、また動く。

そんなふうに、自分で調整できることを大切にしています。

◆歩くことも、同じです

歩き方も、「この形で歩けば正解」というものではありません。

道には坂もあれば、段差もあります。

荷物を持っている日もあれば、疲れている日もある。

若い頃と、10年後、20年後では身体も変わります。

そのときの自分の身体に合わせながら、また整えて、歩く。

そうやって身体と付き合っていけたら、歩くことはもう少し気楽になるのではないかと思います。

姿勢や歩き方を20年以上見てきて、最近ますます思うのは、

きれいな姿勢をつくること、正しい姿勢をつくることが目的ではない

ということです。

その身体で、出かける。

人に会う。

街を歩く。

やってみたいことをやってみる。

姿勢や歩き方を整えるのは、その先の毎日のためでもあります。

◆「歩く人生に、つづきを。」

10月10日から12日まで、KITTE丸の内で開催される「歩く人生に、つづきを。展」のウォーキングセッションを担当します。

この言葉を初めて見たとき、いい言葉だなと思いました。

歩くことは、その日だけの運動ではなく、日常のものであり、その先の暮らしにつながっていくものだからです。

姿勢を崩さないように頑張るのではなく、今の自分の身体を感じながら、動かして、また戻していく。

実際に身体を動かしながら、これからも歩き続けるための身体について、一緒に確かめていただけたらと思っています。

「歩く人生に、つづきを。展」は、10月10日・11日・12日の3日間。

丸の内へいらっしゃる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。



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