歩きやすいまち、日本の傾向は?【住まい・街】

こんにちは、歩き方コンサルタントの篠田洋江です。オンラインウォーキングスクールを運営しています。

歩くことによる健康増進効果を促すために、まちづくりから変革が始まっていることをご存じですか?

海外でもウォーカブルシティと言われ、歩きやすいまちづくりに取り組みが進んでいます。例えば2020年に世界の「ウォーカブルな街」に選ばれたのは、ロンドン、パリ、コロンビアのボゴタ、香港とのこと。

自動車を使わず移動ができ、歩行者に優しい道づくりがされているのが特徴。現在のSDGsの流れにもあっていますね。

■日本の傾向1(男女)

まず日本人はよく歩く分類に入りますが、これはよく歩く人が平均値を押しあげているから、とも言えます。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2008年~13年、12年を除く)をもとに国土交通省が作成した資料によると、

<男女別の歩数の分布>

  • 男性の平均値:7146歩、中央値:6500歩
  • 女性の平均値:6231歩、中央値:5740歩

となっており、平均値と中央値の間には500歩~600歩ほどの差があります。

日常における歩数の目標値は

  • 男性:20歳~64歳は9,200歩、65歳以上は6,700歩
  • 女性:20歳~64歳は8,300歩、65歳以上は5,900歩

となっていますので、目標値と中央値を比べると2,000歩の開きがあります。

■ 日本の傾向1 (都市規模別)

東京などの大都市と地方都市を比べた場合、地方都市の方が歩かない傾向があります。地方都市では男女ともに歩かない層が多く、少しの距離でも車で移動するという生活習慣があるためで、まさに住む環境が歩数に与える影響なのかもしれません。

<1日あたりの歩数分布(男女中央値)>

大都市+23区特別区15万人以上15万~5万人5万人未満
20代7,5687,0386,9546,507
30代7,0016,7946,5496,220
40代7,3986,9736,8156,905
50代7,5286,8126,6286,449
60代6,5216,1555,9615,624
<出典>国土交通省 日常生活における歩行量(歩数)

上記の表をみると、大都市+23区特別区と5万人未満の都市を比べた場合1,000歩程度の差があります。

日常の歩数という意味では、公共交通網の発達状況が影響しているためすぐに解消できるでもないかもしれませんが、車がすぐ横すれすれをスピードをあげて通る道や歩道が狭い道、段差がある道など歩きにくい道が少しでも解消されることで歩く機会が増えることを期待します。

特に通学路が良くなると子どもの安全面でも、生涯に渡っての歩く機会の創出にもつながるかもしれません。

とにもかくにも今後のウォーカブルシティの普及を願うばかりです。

■ 篠田が思うこと

以上のデータだけを見てしまうと、大都市部や23区に住むことで歩数があがるということになります。歩数があがることで認知症予防や生活習慣病予防につながると言われていますが、歩数だけではなくトータルの心身健康を養う環境

例えば

  • 緑や公園が多いか
  • みなが集まれる場所や機会がある
  • 地域とゆるやかにつながれる場所や機会がある

なども健康的な暮らしに関係しますから、歩きやすいだけが健康の指標ではないかもしれません。

ただ歩くからこそ生まれる交流や発見というものがあり、ウォーカブルシティの良さはまさにそこにあるのかもしれません。

ウォーカブルシティはどんどん日本に広がっていく傾向です。

歩きやすい街や歩きたくなる環境が広がれば、人々の世代を超えた交流や思わぬ出会いが期待できますから、もし住まい探しや引っ越しを考えているならば、歩きやすい街か、健康的に暮らせる街か、という視点で街をみてはいかがでしょうか。

そして「自分はどんな街に住みたいか」「どんな環境で生きていきたいか」を見つめ直して街選びをするとさらにいいかもしれません。

最後にご案内ですが、健康的に暮らせる街はどこ?東京に住みたいけれど遠方で土地勘がないという方は、あなたの代わりに周辺環境を調査しオンラインで知ることができる周辺環境リサーチで篠田もサポートさせて頂いておりますので、気軽にご相談くださいね。



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