スマホはみない、メールもしない、SNSも電話もしない。もちろんテレビもみない、そんなデジタルデトックスな歩く旅。
今回は気軽にいける熱海 後編です。
スマホに頼らず、スマホに時間を奪われず。電車もバスは自由気ままな一人旅。いきあたりばたり、出たとこ勝負、自分だけが頼りです。
●たどり着いた伊豆山神社は赤と白の竜の神社
伊豆山神社は赤と白の竜がおり、強運と縁を運んでくれると有名な神社。図らずも、遠く参道入り口から急なのぼり坂を歩きつづけること20分、車が通るたびにしぶきを浴び足元もびっしょりになりながら、もうバスに乗ろうかと思った時に現れたのが、その素晴らしい伊豆山神社です。続く階段の先にある本殿は雨の中でも堂々として荘厳、こんな雨でなければ本宮(奥社)へも登ってみたかったのですが、それはお預け。今度のお楽しみですね。
●吹き出る温泉!気分は川口浩探検隊
伊豆山神社を堪能したあとは、お腹がすいたのでご飯所を探しにいきます。住宅街が広がる伊豆山周辺では、どうにもこうにもお昼にありつけそうもありませんし、ネットで美味しいところを探すという訳にもいきません。バスに乗って熱海駅に戻る・・のもせっかくのデジタルデトックスな旅も終わってしまうようで寂しいものです。すおこう悩んでいるうちにふと見かけた”走り湯”という文字にピンときて、そのまま目の前の階段をひたすら降りて海近くまで歩くことに。段数883段だったでしょうか、とにかく下っていきます。
走り湯とは有馬温泉・道後温泉と並ぶ日本三大名湯の一つだそう、実に地味ながら「みんなが知らない秘密」を知ったような気分になります。目の前に海が見えてきたところで、「走り湯」の吹き出し口に到着。これが結構怖いのです。
洞窟の中からはポコポコと高温の温泉が吹き出る音、そして進むほどに湯気と熱気に包まれ前後が湯気でみえません。これは結構こわい・・・。奥にある温泉の吹き出し口の前にきて覗き込むと、その恐怖もMAX。
●他から丸見え、露天風呂ですべてを洗い流す。
見るだけでは意味がありません。お昼を食べて走り湯の温泉へむかいます。できればおいしいお昼を・・と思いましたが、ここまでくると選択肢がなく、昭和の雰囲気そのままのホテルで少々お高めのお昼をとって温泉へ向かいます。入った施設は地下に大浴場、5階に露天風呂という構造。しかも露天風呂は体を洗う洗い場も外ということで、とても勇気がいりましたが、この大雨にうたれながらの露天風呂も乙なもの。笠をかぶりながら入ります。平日の昼間ですから、もう貸し切り状態。雨はザーザーぶりでこれから人が来る気配もない、好き放題です。しかし近くのホテルの客室やらレストランからこの露天見えるけどいいのか?まいっか。
●全て流す、流れる。
好きなようにのんびりして温泉につかって鼻歌を歌う午後3時、温かくて本当に幸せです。今までぎゅーぎゅーで隙間なんてなかったところにポカッと隙間ができたような気持ち、これが”余裕”なんでしょうか。雨は相変わらず降っていて、笠からも雨が滴りおちて、遠くに見える舟からは笠をかぶった裸の私が見えていると思うとなんとも滑稽ですが、子供に戻ったような楽しい時間でした。そして1時間ほどゆっくりしたら、走り湯ともさよならバイバイ。熱海駅に向かって歩きお土産を買って帰路につきます。この時食べたあったかい温泉まんじゅうは、なぜか本当においしくてたまりませんでした。
●この旅を振り返って。自分で自分の時間を奪っているよう。
忙しい忙しい、スマホだからメールが見れる、LINEをやっている、facebookに投稿しなくちゃ。情報ばっかりがいったりきたり、そんなに私たちって忙しいのでしょうか。現代人は忙しいというけれど、そんなのいつの時代でも言われる事でしょう?目をつぶれば目の休養になり、本を読めば頭の栄養になるもの。情報がないと不安、損はしたくない、出し抜かれたくない、乗り遅れたくない、オシャレでいたい、最新の情報を手に入れたい、そのためにネットに時間を費やしているのは、自分で自分の時間を奪い続けていることのように感じます。自分が”自分で”考える時間、自分が”自分のことを”考える時間は自分しかできない自分のための時間ですね。
デジタルデトックスな歩く旅、いかがでしたか?できれは次回は時計も持たずに出かけたいと思います。